【簿記】「そもそも本支店会計って?」についてはこの記事をどうぞ。
1,決算はどんな順番で行う?
2,本店と支店のそれぞれの決算整理って?
3,本支店合併財務
4,本支店会計の問題で間違えやすいポイント
1,決算はどんな順番で行う?
まずは決算をするときにはこの3つの順番を行います。
①本店と支店それぞれ決算をする。
②本支店合併財務諸表を作ります。
③必要な決算振替を行って、会計帳簿を締め切る。
会計帳簿上の決算手続き
①決算整理(本店、支店それぞれで行う)
②純損益の算定(本店、支店それぞれで行う)
③支店の純損益を本店に振り替える
④法人税等の計上
⑤企業全体の当期純利益を繰越利益剰余金勘定にふりかえる。
⑥帳簿をしめきる
本支店の合併清算表を用いて行うときは②から手続きが変わります。
合併清算表を用いて行うとき
②決算整理のあとの残高試算表をつかって、合併清算表を作成する。
③照合勘定、内部取引高の相殺など
④法人税等を計上する。
⑤本支店会計合併損益計算書と本支店合併貸借対照表をつくる。
2,本店と支店のそれぞれの決算整理って?
支店独立会計制度を採用したときの決算整理を考えたとき
基本は支店の勘定に振り替えます。
けれど、支店の勘定にふりかえずに本店の会計帳簿に残すものもあります。
少し問題を解いてみましょう。
問題
下の項目から本店および支店の決算整理仕訳をしましょう。
【勘定科目】支店 建物減価償却累計額 本店 減価償却費
①本店の決算整理前残高試算表
建物:1,000,000 建物減価償却累計額:400,000
②建物は耐用年数10年、残存価格ゼロの定額法によって減価償却される。
③①のうち、100,000は支店の建物であるが、勘定は本店が管理している。
今回は減価償却費だけを支店に振り替えましょう。
【本店の仕訳】
まず本店の建物の減価償却を行います。10年なので、減価償却費は1,000,000÷10で100,000。
また支店100,000分の減価償却費(100,000÷10で10,000。)を支店に振り替えます。
なので、
借方 | 貸方 | ||
減価償却費
支店 |
100,000
10,000 |
建物減価償却累計額
減価償却費 |
100,000
10,000 |
と仕訳できます。
【支店の仕訳】
支店は支店だけの建物の減価償却を行いましょう。減価償却費(100,000÷10で10,000。)を仕訳します。
なので、
借方 | 貸方 | ||
減価償却費 | 10,000 | 建物減価償却累計額 | 10,000 |
と仕訳できます。
3,本支店合併財務諸表の作成
本店と支店の固有の決算手続きが終わったら、その結果を合算します。
そのときに必要なことが2つあります。
本支店合併財務諸表の作成
①照合勘定の相殺
本支店間取引で計上された支店勘定と本店勘定の照合勘定については、残高を相殺消去します。
②法人税等の計上
企業全体の所得に対して課税される法人税等は、ここで計上します。
決算整理前事項がある場合は仕訳をしてください。
さいごに支店と本店の金額を合算して終わりです!
4,本支店会計の問題で間違えやすいポイント
ちなみに私は、本支店会計の予想問題で間違えた経験があります。
わたしは合併財務諸表をを作成するものだと思っていたのですが、本店のみの損益計算書を記入する問題だったのです。
わたしは本店と支店の勘定を合算したのですが、実は合算するべき問題ではなかったのです・・・。
本当に問題文をしっかり読んで、合併財務諸表なのかどうなのかをしっかり確認することが大事!
問題になれることも大事だと痛感しました。