取引の際、外貨で支払ったり収益を受け取ったりすることがあります。
会計取引ではどのタイミングで行うか、まとめました。
1,外貨建取引 換算に用いる相場は二種類!
・直物為替相場
・先物為替相場
2,外貨建取引の換算
・代金決済時の処理
・為替相場によって取引に損益が出たら?
1,外貨建取引 換算に用いる相場は二種類!
円換算にする為替相場には2種類あります。
・直物為替相場
直物為替相場は銀行間で取引されている今現在の相場のことです。
簿記上は直物為替相場はいつの直物為替相場であったかで分類されます。
①取引発生時(HRとも言います。)
②決算時(CRとも言います。)
・先物為替相場
将来の一定期日の相場のことを言います。
先物為替相場は設定されている期日ごとに相場は異なります。
2,外貨建取引の換算の基本は直物為替相場(HR)
題名にもありますが、外貨建取引の換算は、基本直物為替相場で会計処理をします!
・代金決済時の処理
もんだい
①外国企業A社から商品2,000ドルを仕入れ、代金は掛けとした。(直物為替相場は1ドル=100円)
②外国企業のB社に対して商品1,500ドルを輸出し、代金は掛けとした。(直物為替相場1ドル=105円)
①の仕訳では 100円×2,000ドル=2,000,000なので
借方 | 貸方 | ||
仕入 | 2,000,000 | 買掛金 | 2,000,000 |
②の仕訳では 105円×3,000ドル=315,000なので
借方 | 貸方 | ||
売掛金 | 315,000 | 売上 | 315,000 |
と仕訳できます。
・為替相場によって取引に損益が出たら?
もんだい
①外国企業A社から商品2,000ドルを仕入れ、代金は掛けとした。(直物為替相場は1ドル=100円)
②1週間後、外国企業のA社に対して買掛金2,000ドルを当座預金から送金した。(直物為替相場1ドル=105円)
①では 100円×2,000ドル=2,000,000なので
借方 | 貸方 | ||
仕入 | 2,000,000 | 買掛金 | 2,000,000 |
②の仕訳では 105円×2,000ドル=210,000なので当座預金に210,000を貸方に計上します。
このとき、買掛金200,000を取り崩しますが、差し引き10,000があります。
この10,000を為替差損益として処理します。
借方 | 貸方 | ||
買掛金
為替差損益 |
200,000
10,000 |
当座預金
|
210,000
|
と仕訳できます。