簿記で習う税金をまとめました。
1,法人税、住民税、事業税
・法人税とは?
・住民税とは?
・事業税とは?
・消費税のしくみと仕訳は?
3,そのほかの税金
・受取利子や配当などに課される源泉所得税
・その他、費用処理が認められる税金
1,法人税、住民税、事業税
・法人税とは?
法人の事業活動によってできた所得(利益など)に対して課される税金です。事業年度が1年の場合、決算に基づいて1年分の法人税を計算します。
ちなみに前年度の法人税の半分の金額を「仮決算」として、法人税額を納付します!
法人税の仕訳は?
中間申告で計上した税額は、確定されたものではないので、「仮払法人税」として計上します。
年度末、法人税が確定したら、仮払法人税をさし引いて、残りを「未払法人税」とします。
例題を見てみましょう。
もんだい
①中間申告で法人税、住民税および事業税の中間申告を行い、合計83,000円を現金で納付した。
②決算にあたり、本年度の所得に関る法人税、住民税および事業税150,000と計算された。
③翌年度の5月、確定申告を行い、決算時の未払法人税67,000円を現金で納付した。
このときの仕訳は
①は
借方 | 貸方 | ||
仮払法人税等 | 83,000 | 現金 | 83,000 |
②は
借方 | 貸方 | ||
法人税、住民税および事業税 | 150,000 | 仮払法人税等
未払法人税等 |
83,000
67,000 |
③は
借方 | 貸方 | ||
未払法人税等 | 67,000 | 現金 | 67,000 |
というふうになります。
・住民税とは?
住民税は都道府県や市町村などの地方自治体の住民である法人や個人に課す税金のひとつです。
住民税は法人を対象とした法人住民税、個人を対象にした個人法人税に分けられます。
・事業税とは?
事業活動を行っている法人および個人に対して課される税金です。
2,消費税
また税務署に納めるのはものを売った側で、税金を負担するのは買った側と、負担した側と納める側が一致しないので、「間接税」と言われています。
・消費税のしくみと仕訳は?
経理では税抜方式と税込方式の二つの分け方があります。
税抜方式
税抜方式は主に3級で学びます。
期中、売上や仕入れのときに受け払いした消費税をわけて処理する方法です。
たとえば、①商品10,000を仕入れ、10%の消費税とともに現金で支払ったとき、
借方 | 貸方 | ||
仕入
仮払消費税 |
10,000
1000 |
現金 | 11,000 |
と仕訳します。
また、その仕入れた商品を②15,000で売上、10%の消費税とともに現金で受け取ったとき、
借方 | 貸方 | ||
現金
|
16,500
|
売上
仮受消費税 |
15,000
1,500 |
と仕訳します。
③期末時に、仮払消費税と仮受消費税を相殺させ、差額を「未払消費税」で計上します。
借方 | 貸方 | ||
仮受消費税
|
1,500
|
仮払消費税
未払消費税 |
1,000
500 |
と、仮払消費税、仮受消費税の貸借を逆にして仕訳します。
最後に未払法人税を納付して、完成!
借方 | 貸方 | ||
未払消費税 | 500 | 現金 | 500 |
税込方式
税込方式では仕入れや売上のときに受け払いした消費税を、売上価格や仕入れ価格に含めて処理する方法です。
さきほどの税抜方式で行った取引を税込方式で行うと・・・
①商品10,000を仕入れ、10%の消費税とともに現金で支払ったとき、
借方 | 貸方 | ||
仕入 | 11,000 | 現金 | 11,000 |
と仕訳します。
また、その仕入れた商品を②15,000で売上、10%の消費税とともに現金で受け取ったとき、
借方 | 貸方 | ||
現金 | 16,500 | 売上 | 16,500 |
と仕訳します。
③期末時は、仕入れと売上に含まれた消費税を相殺します。
借方 | 貸方 | ||
租税公課 | 500 | 未払消費税 | 500 |
と、租税公課と未払消費税の勘定で仕訳します。
最後に未払法人税を納付して、完成!
借方 | 貸方 | ||
未払消費税 | 500 | 現金 | 500 |
ややこしいですね。
ちなみに、仮払消費税が多かった場合は、
借方 | 貸方 | ||
未収消費税 | ××× | 租税公課 | ××× |
となり、還付を受けることもできます。
3,そのほかの税金
・受取利子や配当などに課される源泉所得税
受取利子や配当などには源泉所得税が課税されます。これらは、受け取るときに入金額から天引きされる形で徴収されます。
・その他、費用処理が認められる税金
印紙税や固定資産税などは、租税公課勘定として計上します。