固定資産には、有形固定資産と無形固定資産があります。
今回は有形固定資産の仕訳と「圧縮記帳」についてまとめています。
1、有形固定資産の種類をおさえよう!
・有形固定資産は全部で7種類。
・仕訳のコツは不随費用も取得原価に含めよう。
・割賦購入の仕訳では利息に気をつける。
2、圧縮記帳の仕訳の仕方をおさえよう。
・圧縮記帳の内容を確認しよう
・圧縮記帳の会計処理
1、有形固定資産の種類をおさえよう!
・有形固定資産は全部で7種類。
①車両運搬具:おもに自動車やトラックなど
②備品:机、ロッカー、コピー機、パソコンなど
③機械装置:工作装置・コンベアなど
④建物:事務所、工場、倉庫など
⑤構築物:広告塔、塀など
⑥土地:敷地、駐車場など
⑦建設仮勘定:建設途中の建物に対してお金を払うときに、とりあえず計上しておかないといけません。その時につかう勘定です。
・仕訳のコツは不随費用も取得原価に含めよう。
有形固定資産を手に入れた時は「資産」に計上します。
例えば、現金50000円で机を買ったとき、
借方 | 貸方 | ||
備品 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
と表します。
ここで気をつけたいのが、
有形固定資産を取得するときにかかった費用も一緒に原価に含められる、といことです。
例えば、
備品30000円を購入し、配送代3000円を含めた代金を小切手で支払った。のとき、
借方 | 貸方 | ||
備品 | 33,000 | 当座預金 | 33,000 |
というふうに、配送代も足して、仕訳できます。
・割賦購入の仕訳では利息に気をつける。
有形固定資産は額が大きいので、分割して買うことがよくあります。
しかも割賦購入するさいは、だいたい利息も付いてきます。
この時、利息も分割して仕訳します。
たとえば、
500,000円の建物を4回払い・割賦金額600,000円で購入した。(差額は利息)
というときは、
借方 | 貸方 | ||
建物
前払利息 |
500,000
100,000 |
未払金 | 600,000 |
利息をすべて払ったわけではないので、「前払利息」勘定で差額の100,000を仕訳しましょう。
また、全額はらったわけではないので、「未払金」勘定で仕訳します。
また、このあと
1回目の割賦金150,000円を現金で支払った。利息は定額法で配分する。
というときは、トータルの利息100,000円から4回割ればいいので、利息は1回25,000円。
借方 | 貸方 | ||
未払金
支払利息 |
125,000
25,000 |
現金
前払利息 |
125,000
25,000 |
という仕訳ができます!
2、圧縮記帳の仕訳の仕方をマスターしよう。
・圧縮記帳の内容を確認しよう
建物や土地などの有形固定資産を買うとき、国や市などの補助金をもらうときがあります。
文章には国庫補助金、工事負担金などが書かれていることが多いです。
その場合、国庫補助金などにあたる金額を取得原価から控除し(引き)ます。
これが、圧縮記帳です。
・圧縮記帳の仕訳
国庫補助金を受け取ったときには、「国庫補助金受贈益」勘定で処理します。
(貸方に記入します!)
たとえば、
建物の購入をするさい、国庫助成対象にあたったので、300,000円を受けることになった。
なお300,000円は当座預金に振り込まれた。
というとき、
借方 | 貸方 | ||
当座預金 | 300,000 | 国庫補助金受贈益 | 300,000 |
とあらわせます。
ただ国庫補助金受贈益分は、国などのお金であって自分の資産といっていいものか…。
ということで、圧縮記帳の処理も行います。
たとえば、
期中に700,000円の国庫補助金(もしくは工事負担金)を受け取り、建物を取得した。
本日決算日なので、直接減額方式にとる圧縮記帳の処理を行いましょう。
と問題文が出た場合、
借方 | 貸方 | ||
固定資産圧縮損 | 700,000 | 建物 | 700,000 |